『第一次直上会戦(弐)』

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更新日 2009-03-26 | 作成日 2008-04-10

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国連軍極東支部司令室


司令のブラッド・ヘンリー大将は悦状態になっていた。N2兵器による使徒撲滅を確信していた。

ニヤリと笑いながらモニターを見つめている。

「目標は?」


「・・・電波障害のため映像では、確認できません」と副官が答える。


「あの爆発だ。ケリは、ついている!」



と言うヘンリー大将に向かってオペレータが叫ぶ!


「爆心地にエネルギー反応!」


「何だと!」




「映像回復します」



モニターに使徒が映し出された。多少は損傷を受けているようだが、自己修復しているようだ、


「切り札が・・・なんてことだ・・・・・」

「化け物め!」



ヘンリー大将は歯ぎしりをしながら更に命令を下す。


「もう一度!あの化け物にN2を叩き込め!なんとしてもあの化け物を倒すんだ!」



と叫ぶが司令部の中は静まり返っていた




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『第一次直上会戦(弐)』







突然司令部の入り口が開き。MPのマークの入った隊員が司令室に入ってくる。


唖然とするヘンリー大将に向かって、MPの責任者らしき人物が、敬礼をし、



「ブラッド・ヘンリー大将にバレンタイン条約弟31条違反の容疑で、束縛命令が出ました。ご同行をお願い致します。」



ヘンリー大将は驚愕の表情をしたが・・やがてガックリと肩を落とし、MPに連れられて司令室から退出した・・・・・・





N2兵器


NN兵器とも表記される核兵器に変る、現在地球上でもっとも破壊力のある兵器である。


水爆や中性子爆弾と比べると威力は落ちるが、使用後の放射能汚染の心配は無く、セカンドインパクト後の世界規模の紛争では猛威をふるった。


2001年2月14日のバレンタイン条約から使用制限が付く、国連軍がN2兵器を使用する場合使用する国の政府の許可取らなければ使用できない筈であった・・・



ネルフ統合作戦本部


マモルはモニターを凝視しつつ目の前の惨劇に激怒していた。


N2兵器により、余りにも大きな被害に司令室のメンバーは声を失っていた・・・



使徒にN2兵器を命中させる為に、足止めの攻撃を続けていた、水上艦艇が、使徒共々爆発に巻き込まれ消滅!逃げ遅れた戦闘機も多数墜落した・・・



何人の犠牲者が出たのか現時点では解らない・・・・・・・

マモルは自己修復中の使徒を睨みつけながら、BFの戦闘準備の命令をだす。


「使徒がBFエリアに入り次第作戦を決行する!現在の被害情報を知らせ!」




「赤城博士!使徒の再侵攻の予測時間の計算をお願いします!」



マモルの命令で、固まっていた、司令部のメンバーは我を取り戻し、命令に従って、動きだす。


リツコはスパーコンピュータMAGIにデータをインプットして自己修復中の使徒の再侵攻までの時間を計算する。


「使徒再侵攻まで、約20分です。」


リツコの報告を聞き、頷くマモル、マコトは現在稼働できる、武器をメインモニターにしながら、


「現在使用できるBF内の武器は先ほどのN2攻撃により、低下41%です。詳しい情報はメインモニターにだしました!」


メインモニターに映し出されるデータを見ながら、作戦部長の田所は頭の中で作戦を再構築して行く、



ゲンドウと冬月は使徒をモニターで確認しながら、



「自己修復中か・・・」


「完全な単体生物だからあたりまえだ、そうなでなければ単体生物で、活動できん。」



「たいしたものだ、機能が増幅した。」



「おまけに知恵もついたようだ。」


自己修復中にも関わらず、無人カメラの一つが攻撃受け、一瞬使徒の映像が途切れた。



「しかし、N2を使うとはな・・・・」



「冬月先生、所詮人間の敵は人間ですよ・・・」




通信が回復するまで、二人にはすること無い・・・


シゲルは各方面に通信の復旧を急いでいた、其処へ、日本内閣総理大臣岸本総理よりホットラインのコールが、繋がる、シゲルは司令席のホットラインに繋ぎ、報告する。


「司令!岸本総理より、ホットラインです。お繋ぎ致します。」



司令席のモニターに岸本総理の映像が移る・・・



「碇君久しぶりだね!」

「総理、此のたびは・・・なんと言ってよいやら・・・」

全く!あいつらは外道だ!我が国の国民が何人死んでも、所詮は黄色人種と位にしか思ってないんだろうよ・・・消耗品扱いだ!」


岸本は怒に満ちた表情で、国家の総理とは思えない言葉を吐いていた。


ゲンドウは黙って頷く、


「あの馬鹿は拘束されたよ・・・暫く君の邪魔をする奴はいない」



「内閣緊急会議で、今決まった、戦略自衛隊はネルフの全ての要請をどんな事でも御請する。特務権が無いでもだ!全面協力を約束するよ!」



「ありがとうございます。」


ゲンドウは頭を下げた。



「もっとも国連から直ぐにでも特務権が発動されるだろうがね!しかしN2でも倒せなかった、あの化け物を君たちなら倒せるのかね?」


ゲンドウはサングラスを指で上げながら



「その為のネルフですから」と答えた・・・







岸本は哀歌有らず無愛想な奴だなぁ〜こいつは!と心で笑いながら、

「期待しているよではな!」


と電話を切った。



「倒せなかったら人類は滅亡だ・・・」


岸本は切れた電話モニターを見つめながら思いに浸った・・・







シゲルは国連本部より電文が届いたのを確認した。

即座にゲンドウに報告をいれる。



「司令!国連本部、国連事務総長より電文!特務権限によるO-103指揮権の譲渡要請を承認し、本日14:30時点をもって、発動を許可する。国連事務総長パルー・J・ブルックス。承認番号nhti-000235-2211以上です。尚国連本部はテロの攻撃による攻撃を受け通常通信不能状態にあるが、機能しているので、ご心配無くとの事です。」

冬月は「これもやつら仕業か・・・・」

と顔をしかめるが、

「これで邪魔者は一掃される・・・大きな犠牲だったな・・」


と心の中で呟く・・・・・

ゲンドウは

「現時点をもって特務権O-103を発動する!」

「諸君の健闘を祈る!天宮本部長作戦発動!」




ゲンドウの命令にマモルは「了解致しました!」と敬礼を返し、


「ただいまより、使徒撲滅作戦 A-12を開始する、再度各員配置に付け!トライデント及びストライカー部隊発進せよ!」


と命令を下した!


オペレータのマコトが、マモルの発進命令を受け!各部隊に命令を伝達する。


「現時点をもってA-12発動されました。トライデント大隊、ストライカー部隊発進お願い致します。」

作戦部長 田所が

「BF兵器 兵器リンクデータ挿入開始!」

と作戦部に命令をくだす。

稼働可能な移動砲台!ミサイルポット!各要塞砲の配置を決め、的確に配置する、また一斉砲撃ができるよう、個々の兵器の着弾誤差を修正し全兵器の効果を最大限に上げる為の計算を算出、リンクさせる。



スパーコンピュータMAGIにしか出来ないオーバテクノロジーの一つだ、作戦が始まると 兵器発射のタイミングが MAGIより伝達される仕組みになっている。




「トライデント大隊、ストライカー部隊発進確認!両部隊5分で使徒攻撃態勢にはいります。」


「エヴァンゲリオン!00,01,発進せよ!」


マモルはエヴァの発進命令を出す!


「行くわよ!シンジ君」


彩はシンジへ最終確認として声をかける


「了解!」


シンジの少し緊張した声が返ってくる!


「エヴァ01発進!」




彩の声と共に、高速起動エレベーターを使い地上部BFに向かってエヴァ初号機が
発進した。



同時に零号機も他のルートの高速起動エレベーターで発進して行く!



「エヴァ両機オールグリーン問題無し」



高軌道エレベーターが地上に付く寸前に直上部の最終ハッチが開きエヴァ初号機と零号機が地上に現れた!


「最終安全装置解除!エヴァ00,01,リフトオフ!」



青色に白いラインの零号機と紫に蛍光グリーンのラインの初号機



マヤの号令と共に初号機、零号機がダッシュを始める!


両機共左手に盾を持ち!零号機は槍!初号機は剣を右手に装備している!



初号機は使徒の正面に零号機は使徒の後方にそれぞれ決められたポジショニングを取る!




使徒は突然のエヴァの出現に戸惑う様に立ったまま動かない。



「兵器リンク作動!」



「発動まで3、2、1、ナウっ!」



シンジは合図と共にATフィールドを全開にする!

同じくレイも同じくATフィールドを全開にする!


そこにトライデントと移動砲台、ミサイルポッドから一斉に砲撃を開始する!



ATフィールドを中和され、突っ立ていた使徒はもろに砲弾を食らって行く



トライデントから発射された砲弾は40cm鉄鋼弾で戦艦の艦砲を単相砲にして装備したもので、打撃力及び貫通力を強化した対使徒戦用のスペシャル兵器である。



その巨大砲弾は使徒の左右両方の腕を吹き飛ばした!



使徒は喘ぐ様に咆哮を上げ!ジャンプして逃れようとしたが、その時!



大型のミサイルが使徒を直撃し、使徒を地表に叩き付けた!



ストライカー部隊 戦術爆撃隊の一斉斉射だ!


使徒は反撃も侭ならず!地面を転げ回り喘ぐ!

「レイちゃん!行くぞ!インダクション投擲モード」とツラギがレイに指示をだす。



「了解」


レイは何事も無い様に冷静に返事をした。


ツラギは使徒に照準を合わせて、カウントダウンを開始する!

レイはツラギの指示に従って的確に零号機を動かして行く!

「3、2、1、ナウっ!」



零号機は槍を大きく振りかぶり使徒目掛けて投げた!

使徒が起き上がった瞬間!背中から串刺し状態に槍が突き刺さる!

「ぐががががががああああっ」


使徒の叫び声が響く!


「シンジ君!GO!」

と彩の合図!

「ウォオオオッ!」


とシンジの叫び声と共に剣を使徒に突き出す!

「ザグリ!」



零号機の投擲の瞬間!間合いを詰めていた、初号機の剣が使徒の赤いコアを貫いた!



「勝ったな」


冬月はモニターを見つめてそう呟いた。



ゲンドウは立ち上がり冬月とガッチリと握手をした。


「パターン青消失 使徒は活動を停止!」




マコトの声に大きく頷き、マモルは


「作戦終了!みんなご苦労だった!」



と鈴とした声で叫んだ!


その瞬間!ネルフ中で歓声が上がった・・・・



ネルフの栄光ある初陣だったこの日の為に訓練に訓練を重ねてきたみんなの思いが今爆発した・・



作戦開始から僅か10分・・・



しかも被害無し・・・・



先の国連軍の敗退が嘘の様な勝利だった・・・・・




歓喜のうずの中でマモルは死んで行った国連軍、日本の自衛隊隊員の冥福を祈らずにいられなかった、




「自分たちの配慮がもっとしっかりしていたら出なかった犠牲だったのに・・・」



リツコはそんなマモルの気持ちを察して、


「天宮本部長!エヴァの帰還命令を願いします。」

と元気良く言った。




マモルはハッと我に帰り、リツコにテレ隠しの微笑みを向け、



「各員撤収作業に入れ!戦闘配置を通常に戻せ!」



マモルの命令で歓声が止まり、皆が一斉に動きだす。



「作戦部長に以後の指揮を一任する。」



「田所さんお願い致します。自分は自室に戻りますので・・・」



田所は「了解致しました。」


と敬礼をして指揮を取り出す。



マモルは退室前にゲンドウの所に行き敬礼をして、



「任務完了いたしました。」と報告した。



ゲンドウポーズのままゲンドウは「ご苦労だった」と低い声で一言返ただけだった。



マモルはまた敬礼をして退室した。





『第一次直上会戦(弐)』了


takeの戯れ言


第三話になる『第一次直上会戦(弐)』が終わりました。

これで序章部分が終わったと思います・・・(・∀・)

自分の描きたい事を書くと言う事の難しさを痛感してます。
今一度読み直して、少し書き足したり、して行こうと思ってます((((;゚Д゚)))

これから人間関係それぞれのキャラクターの個性が描かれて行く予定ですが^^;次の使徒戦まで暫く間が開きそうな気配がプンプンしてます。(°д°;)長い道のりです。

それとミサトさん次回にでてきますので・・・・忘れていた訳ではありません!(;´∀`A ```

感想や叱咤激励お待ちしてます。m(__)m