『第一次直上会戦(壱)』

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更新日 2009-03-26 | 作成日 2008-04-10

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統合作戦本部


統合作戦本部とは対使徒戦に対する全ての指揮を司る部署であり、

統合作戦本部の下には作戦部、技術部、保安部等の部署が有り、各部の総合的にまめ、使徒戦におけるあらゆる権限を与えられた、部署である。


その責任者の名は天宮マモル(あまみや マモル)陸将である


天宮マモルは36歳でセカンドインパクと後の世界規模的紛争に国連平和維持軍に従軍し、その卓越した戦術と作戦能力の高さで、「21世紀の最初の英雄」と言われ、その能力の高さを買わて、ネルフの統合作戦本部長に抜擢された。


身長185cmで、筋肉質の体はローマ時代の彫刻を思わせる、それに対し、顔は何処となく、中性的な感じの漂う好青年といえる・・・・



階級は国連軍の地位で言えば中将で師団長等の任務付く権限を持つ、ちなみにゲンドウは大将、統合幕僚会議議長 幕僚長と同じ権限をもつ、冬月は天宮マモルと同じ陸将だが、先任権が有り、権限は指令、副司令、に次ぐNO.3と言う事になる。



と言っても平時においてはその権限は第三新東京市のエリア内に留まり、外部的な指揮権は発動できない、それはゲンドウにも当てはまり、平時の外部的な権限は使徒襲来を承認し、非常事態宣言D-80とそれに付随する偵察、情報収集位な物となる。


特務権O-103指揮権の譲渡が認証されない限り、外部的な指揮権は与えられない、


しかし一度、特務権O-103指揮権の譲渡が認証されれば対使徒戦における、ありとあらゆる権限が認められる、地球上の全の軍隊に命令でき、全ての国の法律を一時的だが、変えられる程になる・・・・


反対派がネルフの事を「独裁者組織」と呼ぶのが、痛い程解る


しかしネルフが破れれば、即、地球滅亡となるのだ、背に腹は代えれないと言う所か・・・・・・


セカンドインパクト以来15年もう使徒は来ないと言われつつ有る昨今において、莫大な資金を喰らい続けて来たネルフは世界中から疎まれていた・・・・・







が、使徒は現実に現れた・・・・








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『第一次直上会戦(壱)』





総司令碇ゲンドウから指揮を一任されたマモルは矢継ぎ早に命令を下して行く。


現在はネルフ内権限だけだが、それだけでも、多岐に渡る、



「集光塔リフトダウン終了!BF内の兵器稼働率は60%です。エリアR、β、γ、α、はまだ整備調整中の為稼働不可、トライデント大隊は起動準備に入りました。」


報告をするのは中央作戦司令部作戦局第一課所属。日向マコト階級は二尉。戦況分析、並びに状況報告などを担当している。黒縁メガネをかけているが、噂では伊達メガネらしい・・



BF 、バトルフィールドと呼ばれるこのエリアは第三新東京市の中心であるネルフ本部の直上の地上部を中心に半径10km直径20kmのエリアを言う。


使徒を迎え打つ為のエリアで、一般市民に極力被害を与えない為に作られた、要塞化し、軍事施設だけで構成されいる、一般住民の立ち入りは平時でも許されていない。



マモルは報告を頷きながら聞き、「避難状況は」と訪ねる。



日向二尉はD-80で指定された地域の避難データを読み上げる、「98%避難完了してます。後12分で避難全て完了との報告です」



「避難時における負傷者はどうか!」


日向二尉は負傷者リストをサブモニターに出し、



「現在軽傷13名重傷2名です。軽傷者に関しては避難中に転倒が主な原因です。重傷者は指定地域外に慌てて出ようとした、車両による交通事故だそうです。後戦自による逮捕者は34名その内射殺2名だそうです・・・・」



作戦部長の田所 浩二(たどころ こうじ)一佐が、


「今の所、作戦部が予想した被害より遥かに低い数字です。」と発言した。



頷くマモルしかし微かに顔をしかめた。対象地域には約30万の人が住んでいる、この30万人は生活の糧を少なからずネルフに頼って生きているのだろう・・・


故に、この地域から出て行けない・・・
もう既に死者が出てしまった。混乱に乗じての犯罪者ではあるが、マモルは憤りを感じていた。



「解っていた事だけど・・・辛いな・・・やはり」と思う。



一罰百戒今後馬鹿な事を考える人間が出ない様に祈るしかない。



「赤城博士エヴァの準備状況はどうですか」と次の質問をする事で頭の中から被害者の事を消した。



赤木リツコ


技術開発部技術局一課所属。E計画責任者兼マギシステム保守責任者である。金髪の女性で、階級は三佐待遇の軍属、元来、の色赤紫系なのだが、脱色して金髪博士になっている。ヘビースモーカーでカフェイン常用者。

趣味はネコキャラクターの小物集め。チャームポイントは左目尻の泣きぼくろ。
と言った所が彼女のパーソナルデターだ・・・(オイ!



リツコは答える、「零号機、初号機、両機共最終整備完了してます。何時でも行けます!パイロット及び、オペレータ4名は最終待機質で待機中です。」



マモルは頷くと「指揮権委譲まで現在を維持各部所は異変があれば報告を頼む」
マモルはメインモニターに使徒上陸までのカウントダウンをジッと見つめる・・・



後2時間・・・・




そうして今度はサブモニターに映る、ゲージに繋がれたエヴァンゲリオン零号機と初号機に目を移す。



そして、「シンジ君、レイちゃん、頼むよ」他に聞こえない様な小さな声で呟いた。


エヴァンゲリオン




文学的費用と、14年の歳月を費やして作られた究極の汎用人型決戦兵器と言われる(作者的には汎用兵器だとは思わないが・・・)対使徒用の兵器である



使徒を模倣して作られたと言うが、そのシステムは超極秘である



基礎設計は碇ユイ博士が行いネルフの前身である「ゲヒルン(人工進化研究所)」内で開発された。



広報的には零号機が最初に開発された事になっているが、初号機が先である。


起動はA10神経シンクロシステムによりパイロットがエヴァンゲリオンに直接シンクロして起動する。


A10神経とはパイロットがエヴァンゲリオンとの脳神経結合の要であり、脳幹に存在する。



その中央部に沿って縦に4列の神経核が並んでおり、その配列の両外側の2 列を
「A神経」と呼び、その下位から数えて10番目の神経が「A10神経」である。



記憶や認知、運動の遂行などの高次な脳機能、不安や恐れ、幸福感や快楽などの情動と関係する。



簡単に言えばパイロットが思う事がそのままエヴァンゲリオンを動かす事となる。



素早く動くにはシンクロ率が上がれば上がる程エヴァンゲリオンの動きが上がる仕組みだが、猛烈な副作用が伴う、


「フィートバック」

これはパイロットがエヴァンゲリオンの損傷を痛みとして感知してしまうのだ、例えばエヴァンゲリオンが腕を折られたらパイロットも腕を折られた時と同じ痛みを感じる事になる、実際にはパイロットの腕が折られる訳ではないが、100%以上の過剰シンクロをすれば実際の体にも影響を及ぼすとされる。



マモルをして、「欠陥兵器」と言わしめる、兵器であるが、使徒戦に対して有効な手段は他に無い・・・・・・



現在、フィートバックを軽減するシステムを開発中であり、今の所はシンクロ率を60%以下に押さえる事で、フィートバックによる軽減をはかっているが、パイロットに苦痛がいくのは避けられていない。



それとこのエヴァンゲリオンに関わる人々が最も嫌悪する事・・・・







エヴァンゲリオンはシンクロするパイロットを選ぶと言う事である



エヴァンゲリオンにシンクロするにはもの凄い数の条件をクリアしなければならない、その条件に適合する者を適合者と呼ぶが、最も嫌悪される条件が、セカンドインパクト以降に生まれたと言う条件である。





セカンドインパクト以降に生まれた者・・・・・





14歳以下の子供達なのだ!




適合者たる子供は現在世界に3名しか発見されていない・・・・・














「ケイジ」

ヴァンゲリオンが格納されている格納庫の事である。


そのケイジのアンビカルブリッジに一人の男が立っている



技術部第三課である整備課の時田課長は一尉待遇の軍属である。



アンビカルブリッジから初号機の顔を見上げていた。紫をベースに塗装された鬼を思わせる顔・・・



日本重化学工業共同体から出向で派遣された時に初めてこの初号機を観た時
自分の今までは一体なんだったのかと落ち込んだものだ、しかし今はこの仕事を誇りに思う反面、嫌悪すらしている。



「これに子供を載せて・・・・自分はただ観ているだけか・・・」



これはネルフで働く大人達の相違である、解っている、解っているからこそこの想いがいつも悪夢の様につきまとう、だから懸命に歯を食いしばり大人達は頑張ってきた!そしてこの日がついに来てしまったのだ、永遠に来なければ良いと思いながら、せめて、子供達が大人になるまで来なければ良いと願っていた・・・・



時田は歯を食いしばりもう一度初号機を睨むように見上げる・・・



そして心の中で叫んだ「頼む!彼ら未来をそして人類の未来を守ってくれ!」と


その想いに答える様に時田には初号機の目が一瞬光って見えた・・・



時田の周りで黙々と働き続ける整備課の隊員達の想いは時田と一緒だった。





ケイジの直ぐ横のエリアにパイロット及びオペレータの最終待機室がある

第一級戦闘配備に待機する場所である、



その部屋に待機しているのは4人のプラグスーツを着た男女と護衛の保安員2名最終のメディカルチエックを行う医師と看護士の8人である。




プラグスーツはエヴァにシンクロする為にシンクロを補助する機能と共に、衝撃を和らげる機能、パイロット及びオペレータのメディカルチエックをする為の機能と、負傷した時に負傷箇所に癒着し止血や痛みを和らげる投薬機能も有している。




今はプラグスーツの末端をメディカルチエックのモニターに繋いで揺ったりしたソファーに座りながら待機している。



「シンジ君レイちゃん気分はどう?」



と聞いたのはオペレータの藤堂 彩(とうどう あや)一尉である。


シンジ君と呼ばれたのはサードチルドレンと呼ばれる3番目のエヴァ適合者の碇シンジ14歳。


同じくレイちゃんと呼ばれたのはファーストチルドレン一番目に選ばれたエヴァ適合者である。綾波レイと言う。



シンジは「そうですね少し緊張してきました。待つのはちょっと嫌かなぁ〜」と
少し引きつった笑いをみせた。



それに引き換えレイは「私は大丈夫よ、訓練通りやれば心配ないもの」とニッコリ笑ってみせる。



シンジはそんなレイの発言に相変わらずだなぁ〜と言う表情を見せて、「レイは強いなぁ〜」と言った。



レイは「だって私にはツラギさんが居るもの」ポッと赤く顔を染めながら自分の横にいる男性に顔を向けた。


言われた男は椅子に座り直し親指をたてて!「まかしておけよ!俺に掛かれば使徒なんてこうさ!」とたてた親指を下にむける。



彩はツラギに向かって「あんたが、操縦する訳じゃないのにもう・・・」とあきれ顔で言う最終待機室が笑顔で包まれて行く・・・・



ツラギさんと呼ばれた男は 桜井ツラギ(さくらい ツラギ)と言う。

階級は彩と同じく一尉である、エヴァのオペレータとして彩が初号機専属、ツラギが零号機専属である。


他に弐号機、参号機、四号機の専属オペレータが同じく訓練をしているが、二号機とパイロットはまだドイツのネルフ支部にて調整中で有り、本部に配備されいない、参、四号機に関してはアメリカ支部で開発中である、まだパイロットも決まって無い。



彩とツラギ以外のオペレターは松代の訓練施設で訓練を続けている。



エヴァオペレーターはパイロットであるチルドレンとエヴァに乗り込み戦闘を補佐するのがその任務である。


操縦するのはパイロットだが本部からの指示ではタイムラグが生じる、そのために状況判断と火器管制とパイロットへの戦闘時の命令を伝えるのが、主な任務で、その他にパイロットの子供の命を守る重要な任務もある、エヴァが大破又は破壊された時には自分の命を捨ててまでもパイロットである子供達の命を守る事が義務づけられている。



この職務に関しては志願制で有り、志願者の中から特に優秀な者だけをオペレーターとして採用している、実に600倍の難関を勝ち越えてきた者である。



専属機が決まるとパイロットとオペレータは共同生活にはいり、信頼関係を結ぶ。




オペレータには人格的にもパイロットから心を許してもらないと専属にはなれないのだ・・・・・・




このオペレーターの発案は大人達がパイロットの子供達に少しでも負担を与えない様に、そして少しでも安心できる様にと願いを込めて発案された。




エントリープラグの中ではシンクロに問題が無い様にパイロットとオペレータの間には透明度高い硬質ガラスで遮られているが、プラグスーツ同士はラインで繋がれており、パイロットはオペレータに守られる。


暖かい感情を意識できるよう設計されいる、非常時には硬質ガラスが外されオペレータがパイロットを救う事ができる様に設計されている。



今までこの4人は共同生活をしてこの日の為に訓練してきたのだ、兄弟それ以上の家族として・・・・・・


お互いに命を預け合う仲間として・・・・・


彼らにはもう何も迷いが無い・・・・








13:30使徒が日本上陸まで後1時間





「戦自より報告全てのエリアの避難完了しました。」


「起動砲台、及びミサイルユニット準備完了!」



「トライデント大隊より発進準備完了 次の指示を請うとのことです。」



「同じくストライカーより発進準備完了指示を待つとの事です。」


と日向二尉より次々に入るが彼も現在天宮がこれ以上の命令を下せないが解っている。



「いったい国連は何をしているのか!・・・・」



苛立つ心を隠しながら指揮権の譲渡を待つ。




マモルは一言「現状維持」と言っただけで、自分の席に座りじっと待つ・・・・





トライデント陸上巡洋艦部隊は戦自、ストライカー部隊は国連軍の爆撃部隊だ、ネルフ直結の支援部隊としてそれぞれ派遣されている。



共同訓練もネルフの指揮の元に進めてきた、が、実戦となれば、政治が関わってくる。



ネルフに指揮権が譲渡されない限り、動けない。



全ての隊員達が同じ思いでじっと時が来るのを待っている。



ゲンドウと冬月も目の前の国連のホットラインの電話をじっと見つめている。


マモルは全ての準備が終わり、じっと緊張感を保ちながら待機している作戦室のメンバーを観て満足だった。


「みんな良く耐えている、こんな時は待つのが一番辛いからなぁ〜」と思わず顔が微笑んでしまうのを我慢する。




「しかし疎まれいるなぁ 強行し過ぎたからなぁ〜何もかも・・・」





マモルは今までの15年を思い出して。上のフロアーの髭頭らのサングラスをちらっとみると、「あんたも俺も良くやったよと・・・」とひとりごこちだった。






そんな思いを他所に時間は刻々と過ぎて行く・・・・











14:00


突然マモルは席を立ち、イライラ顔のリツコに向かって命令を発した。



「赤城博士、エヴァ00及び01の搭乗開始ヒトヨンニイマルまでに起動終了して下さい。」



リツコは「了解しました」と緊張感にみちた顔をして、技術部オペレータの伊吹マヤ二尉に起動シークエンスの発動を指示しだした。



伊吹マヤは技術開発部技術局一課所属。階級は二尉。赤木博士直属の部下で、EVAの開発・運用に携わっている。潔癖症らしい・・・(不潔は嫌!)




最終待機室にマヤの声で「エヴァ00,01,のパイロット、及びオペレータは搭乗を開始してください。」


ケイジでは起動シークエンスを示すライトが点滅し、警報がなる、俄にケイジが騒然とする。各自の整備隊員達が、自分の役目を果たすべく動きだす。



彩を先頭にシンジ、レイ、ツラギの順番でケイジのアンビカルブリッジに向かう護衛の保安員2名最終と医療スタッフに「行ってきます。」とシンジとレイはお辞儀をする。



護衛の2人はニッコリ笑って親指を上に突き出す。これが今まで、訓練中ずっとお互いの合図になっている。






言葉は決して出さない。いつも2人は歯を食いしばっているから・・・





アンビカルブリッジから2手に別れそれぞれ乗機に乗るためのリフトに乗り込む
そしてエヴァの頭よりも15m程上にセットされているエントリープラグへと乗り込む最初はパイロット、次にオペレータの順で、コックピット内の席も前がパイロット、後部にオペレータになっている。



シンジと彩はコックピットに乗り込むと素早くヘッドセットを付け、それぞれの体系にオーダメードされたシートに座ると自動に体を固定してくれる。


そして上から硬質ガラスで出来た仕切りが降りてくる。


シートに固定された時点で彩とシンジはテクニカルシンクロを開始するお互いのプラグスーツ同士で繋がれるシンジは彩の暖かい気持ちにつつまれる。



彩はヘッドセットのスイッチを入れ作戦室に連絡をいれる。


「こちら01エントリープラグに搭乗完了」同じくツラギの声で「こちら00エントリープラグに搭乗完了」と聞こえてきた。


マヤも声で「了解、00、01、エントリープラグの搭乗を確認しました。これより起動シークエンスに入ります。」


彩とツラギは同時に「「了解!」」と返す。



リツコは次々と起動シークエンスの指揮を取って行く「第一次接続開始!」



「了解しました。00,第一次接続開始エントリープラグに接続開始・・・・5、4、3、2、1、接続、ハーモニクスグラフ10、20、30で安定、誤差±0、2第一次接続完了!」



「続いて01、第一次接続開始エントリープラグに接続開始・・・・5、4、32、1、接続、ハーモニクスグラフ10、20、30で安定、誤差±0、2
第一次接続完了!両機とも第一次接続問題無しです。」




マヤの報告を聞きいてリツコは次の支持に移る、『LCL注水開始」



「了解00,01,LCL注水開始します。これより、00,01,同時シークエンスに切り替えます。」




L.C.L

エントリープラグ。その内部は、パイロットとオペレータの搭乗と共に、L.C.L.と云う液体により透き間無く満たされる。




この時、搭乗者の呼吸器もL.C.L.により塞がれる事になるが、肺に侵入したL.C.L.が直接酸素を供給するため、呼吸困難と云う問題は発生しない。



我々が通常行っている、器官を通して口腔部、鼻孔部から空気を取り込む方法より、効率的且つ安全であると云える。



L.C.L.はエントリープラグ内で電化され、その分子配列を変化させる(この分子配列の変化は、モニター上でも表示されている)。これにより、L.C.L.はその状態を液体から気体状のものに変質させ、老廃物の循環・浄化等の能力を活性化させ得るのである。




エヴァを兵器として見た場合、パイロットは最も脆弱な部品である。




L.C.L.はそうした弱点を補填する意味を持つのだろう。




更に付け加えるなば、L.C.L.は精神汚染に対する防御効果もある様だ。 (資料EVANGELION大百科より)




「LCL注水完了両機パイロット及びオペーレター、脈拍、呼吸数、血圧正常です。」




「エヴァ00,01,へエントリープラグ挿入!」




「了解しましたエヴァ00,01,へエントリープラグ挿入開始」



エヴァンゲリオン零号機と初号機の背中からエントリープラグの挿入腔が開くその挿入腔にゆっくりとへエントリープラグ挿入されて行く・・・・




「エントリープラグ挿入完了」



「第二次接続開始!」



「了解しました。00,01,第二次接続開始します。」




「電化開始。メインモニター接続。回路開きます。」



「システムオールグリーン、パイロットプラグスーツへシナプス挿入。A10神経接続!」





「ハーモニクスグラフ測定開始。シンクロスタート!」




モニター上に両機の細かい神経接続モデルの映像とシンクログラフ、ハーモニクスグラフが示さされ、シンクロが進んで行く




「シンクロリミッターを60%に設定」




「00,01,シンクロ率上昇!ボーダーラインまであと30!」



「………20……10……5……0!絶対境界線クリア!00,01,起動します!」


起動と同時に零号機と初号機の目に光が入りうつむき加減の両機の顔が真っ直ぐに前をむく。


「シンクロ率さらに上昇40・・・・50・・・・60・・60で安定、ハーモニクスグラフ30で安定、誤差±0、2、両機パイロット及びオペーレター、脈拍、呼吸数、血圧正常です。両機起動完了しました。」



とマヤの報告を聞きリツコはマモルへ向きなおり、



「エヴァンゲリオン00,及び01起動いたしました。次の指示をお待ち致します。」


マモルは頷くと、


「当初の作戦通りに00,は32番01,は21番射出腔に移動を開始せよ.これより作戦本部の指揮下に入る」


エヴァ両機から「「了解」」と声が入る。


エヴァの管轄は開発、整備、起動までが技術部が担当し、起動した時点で 作戦本部の指揮下に入る。









使徒上陸予定時刻まで後10分





シゲルは情報部から知らされた情報に驚きの表情を隠せなかった、



「なんてこった!くそ野郎共がっ!」



心の中で悪態を吐く




「司令!国連軍極東支部が独自に使徒に対して攻撃をするそうです。」


「「「なっ!」」」





司令室にいた全員が青葉シゲルを見た!





「自衛隊を使う模様です!海自の護衛艦及イージス艦が我が作戦エリア境界戦ギリギリの所で待機、厚木、百里基地より戦闘爆撃機が多数離陸、陸上部隊重砲部隊、大型ミサイル部隊がD−25地区の外側に展開してます。」



「尚、ストライカー部隊は特殊任務遂行中の為出撃を拒否したそうです。」




冬月は呻く様にゲンドウに向かって言った。


「これが狙いか・・・どうする」


「・・・問題無い・・・」




『あるわ〜!!』(怒)



「お前これで何人の戦死者が出ると思っているんだ!」


そんな事ではユイ君が悲しむぞ!」


「うぐっ!しかし・・・」



ぐに国連軍極東支部司令官のヘンリー大将に連絡を取れ!」(怒)

ゲンドウは直ぐに目の前にある2つの電話の内の一つを取りボタンを押す。



「ネルフ総司令の碇だ、ブラッド・ヘンリー大将とお話しがしたい・・・・」



「・・・・・・・・・・・・解った・・・・」







ゲンドウ電話を切ると



「お前に話す事など何もないそうだ・・・・・」



と言いながら机の上に手を組みいつものゲンドウポーズに戻る。


冬月はこめかみを手で押さえながら


「嫌われてるなお前・・・」





「も、問題無い・・・・・」





マモルはそれを見ながら


「お前ら・・・漫才師か・・・全く・・・」


と脱力感を体に感じながら今の二人の行動が、後々有効になると思った。



「本当に狸親父だ・・・・」



マモルは普段は見せない、怒りに満ちた恐ろしい表情になり、


「国連軍が先に使徒に対し攻撃を加える事になったようだ、貴重な戦闘データーが取れるはずだ、各部署は現状待機のまま情報収集に専念せよ!」



「青葉二尉!国連軍極東支部司令部宛に伝言通信!貴官らの健闘を祈る!以上」




「了解しました。」とシゲルは敬礼をし通信文を送った・・・



「本部長かなり怒ってるぞ・・・・オラしらね!」と思った。




マヤ曰く!その時「本当の鬼を見た!」そうだ・・・・











国連軍極東支部司令室


ブラッド・ヘンリー大将は自信に満ちた顔で司令席に座っていた、



「あいつらの前であの怪物を倒せば即座にネルフは解散!全ては我々の元に帰ってくる!」



「ふふふっ!シナリオ通りだ!ゲンドウ・イカリめっ!今に見ていろ!」



ヘンリー大将は国連の反ネル派の政治家からの使徒を倒せば、その功で元帥となり、国連軍の総司令のポストを用意すると言う話しに乗った。


彼らのシナリオは使徒出現と共に国連議会で、ネルフに対する指揮権場度の決議案を協議するが、この決議案は既に根回しが終わり事実上可決している。


彼らはその決議案採択のまでの時間を遅らせ、国連軍に有事に際する防衛出動を極東支部にさせて使徒を倒し、ネルフの解散と自らの利権を取り戻す事を企んだのだ。


セカンドインパクトの後極東地区は紛争が相次ぎ平和維持軍である国連軍は素早く展開しなければならず、有事に際する防衛出動は各支部の司令の判断に任せられていた。



彼らはそれを利用した・・・




しかもテロ騒ぎを演出し、議会にテロリストを潜り込ませて・・・議長の暗殺まで謀ろうとしたのだ、これは未然に防がれたが議会の開催は大幅に遅れた・・・





これが彼らの陰謀の全体だ・・・ゲンドウも冬月もマモルも予想の範囲だった。



が・・・・・戦うのは彼らでは無く極東支部に組み込まれいる国連軍の兵士達である。



マモルは彼らの無事を祈らずにはいられなかった。




「第三使徒後5分で上陸予定時刻です。」



「国連軍攻撃を開始しました。」

一斉に海上の艦艇からと上空の対戦哨戒機から魚雷攻撃を開始する国連軍凄まじい爆発が海を揺らす!


しかし!使徒の速度は衰える事を知らず。



上陸予想地点に向かって突き進んで行く・・・・



海が浅瀬になりついに使徒が姿を表す。


黒い体に長い手足、フットボールのプロテクターを連想させる様な胸部、顔の様な物は胸部のちょうど中心に付いていた・・・



ヒト型と言えば言える・・・・・




一斉にミサイル群、重砲の砲撃が使徒に襲いかかるが、使徒に到達する前に全て爆発する。



「なぜだ!直撃のはずだ!」

とヘンリー大将が驚きの声を上げる。




そして・・・

「総力戦だ、出し惜しみをするな、戦闘機を全て上げろ!なんとしても目標を叩け!」

(どっかで聞いた台詞)(笑)と大声を上げる











ネルフ本部ではゲンドウと冬月が戦闘の様子を見ながらお互いに意見を述べ合う




「ATフィールドだな」




「ああ・・ATフィールドがある限り使徒には通常兵器は通じんよ・・・」





ATフィールド



使徒及びエヴァが展開する絶対領域であり、物理的障壁でもある。絶大な防御力を誇り、全ての兵器はその威力を大幅に減殺される。


エヴァが使徒に対抗し得る唯一の兵器と目されるのは、このA・Tフィールドを中和する能力によるところが大きい。







作戦室内では戦闘の分析と使徒の能力の解析に余念が無い


全ての隊員、職員が今戦闘で死んで行く国連軍の兵士達の死を無駄ににしない様に・・・・


黙々と仕事をして行く・・・


中には悔し涙を流しながら仕事をしている者もいた・・・





使徒の武器は腕からのびる槍状の近距離攻撃とその動き、いとも簡単に素手で戦闘機ヘリを落として行く・・



そして長距離にはビーム光線・・・・・作戦部長の田所は


「使徒は何でも有りか・・・」



と呟いてその発言で、リツコ以下の技術部から多いに顰蹙をかった・・・



「戦闘機とVTOL式戦闘機が引き始めました。」とシゲルが報告する



報告と同時にマモルが命令を出す。

「N2警報だせ!総員対N2防御シフト急げ!」


緊急回線で全ての関係者にN2警報が出された。

地上部にいる職員、戦時の隊員は緊急用シエェルターに飛び込む!トライデント部隊のハンガーも地下にすぐさま引っ込む!稼働砲台、及びミサイルポッドも一斉に地下におりた!BF上の兵器は全て防御シフトに意向し扉と言う扉は全て閉鎖された。



「なんて事だ、まさかここまで愚かな事を・・・」冬月は怒りに燃えた!



ゲンドウはすぐさま日本内閣総理大臣岸本総理に繋がるホットラインを手に取ったが、間に合わなかった・・・・・


















閃光と共にN2爆弾が使徒を中心に爆発した・・・・・









『第一次直上会戦(壱)』了

takeの戯れ言

第二話にあたる、『第一次直上会戦(壱)』が終了しました。(°∀°)



スイマセン(汗 次回はエヴァちゃんと活躍しますので・・・・・多分(;´∀`A ```

リアルの世界でもそうですが、己の欲だけで動く輩は許せません!

人間は欲が無いと生きて行けませんが、欲だけでは自分を滅ぼしてしまいます。((゚Д゚|||))